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LuPaCa:多言語対話シート作成システム

LuPaCa:多言語対話シート作成システム LuPaCa:多言語対話シート作成システム
研究の概要
日本人医療従事者と外国人患者の間における,正確な多言語間対話を支援しています.
研究背景
グローバル化が進む近年,国際行事などの要因から訪日外国人との対話機会が増加しています.しかし,訪日外国人と日本人との対話場面において,互いの意見のやり取りを円滑かつ正確に行える環境が十分に整備されているとは言えません.特に医療分野では,外国人患者の意図を日本人医療従事者が円滑かつ正確に理解できるような仕組みが必要とされています.
研究目的
言葉が通じない医療従事者と患者の間の対話支援を,正確かつ円滑に行うことを目的としています.
システムの特徴・問題を解決するアイデア
  • タブレット端末を用いて,タップ操作で多言語間対話が可能なWebシステムです.
  • 正確な多言語間対話を実現するために,あらかじめ翻訳者によって翻訳された「用例対訳」を使用しています.
  • 医療対話時の発話内容の入力や検索の時間を減らすために,患者に対する質問項目(対話シート)を,あらかじめ医療従事者自身が自由に作成可能にしています.
  • 患者からの回答も正確に得るために,患者の回答候補群を質問文から自動的に予測する機能を用意しています.
  • 機械翻訳を使用せざるを得ない開かれた質問文を,回答候補を使用可能な複数の質問文に分割することで,正確な対話支援を行っています.
学術論文
  1. 尾﨑文香, 福島拓, 重野亜久里: LuPaCa:医療従事者による用例登録を可能とした多言語対話シート作成システム, 情報処理学会論文誌, Vol.58, No.1, pp.134-142 (2017-01). [PDF]
発表文献
  1. 福島拓, 重野亜久里: 話者の意図を適切に伝達可能とした多言語医療対話シート作成システム, 第40回医療情報学連合大会, pp.967-970 (2020-11).
  2. 福島拓: 話者の意図伝達を目的とした多言語間対話支援環境の検討, 情報処理学会研究報告, グループウェアとネットワークサービス研究会, Vol.2020-GN-109, No.39, pp.1-8 (2020-01). [PDF]
  3. 下田桂輔, 福島拓, 重野亜久里: 回答候補推薦機能を有した多言語対話シート作成システムの開発, 情報処理学会研究報告, グループウェアとネットワークサービス研究会, Vol.2019-GN-106, No.17, pp.1-8 (2019-01). [PDF]
  4. 松本尚, 福島拓, 重野亜久里: 回答候補の自動提示を可能とした多言語対話シート作成システムの開発, 電子情報通信学会技術研究報告, 人工知能と知識処理, Vol.117, No.452, pp.19-24 (2018-02).
  5. 尾﨑文香, 福島拓, 重野亜久里: 医療分野を対象とした多言語対話シート作成システムの開発と評価, 情報処理学会研究報告, グループウェアとネットワークサービス研究会, Vol.2016-GN-97, No.13, pp.1-8 (2016-01). [PDF]優秀発表賞